Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
時雨の罪
一
門跡という地位もあり、坊官や寺侍たちにも侍かれる身となって、少僧都範宴の体は、おのずから以前のように自由なわけにはゆかなくなった。時には省みて、
(このごろは、ちと貴族のような)と聖光院のきらびやかな生活を面映ゆくも思い、
(狎れてはならぬ)と、美衣美食をおそれ、夜の具の温まるを懼れ、経文を口で誦むのをおそれ、美塔の中の木乃伊となってしまうことを懼れたが、門跡として見なければならぬ寺務もあり、官務もあり、人との接見もあり、自分の意見だけにうごかせない生活がいつの間にか彼の生活なのであった。
「お牛車の用意ができました」木幡民部が手をついていう。
民部というのは、範宴が門跡としてきてから抱えられた坊官で、四十六、七の温良な人物だった。
範宴は、すでに外出の支度をして、春の光のよく透る居室の円座に、刃もののように衣紋のよく立っている真新しい法衣を着、数珠を手に、坐っていた。
こういう折、朝夕に見る姿でありながら、坊官や侍たちは、時に、はっとして、
(ああ、端麗な)思わず眼がすくむことがある。
実際、このごろの範宴は、ひところの苦行惨心に痩せ衰えていたころの彼とはちがって、下頬膨れにふっくらと肥え、やや中窪で後頭部の大きな円頂は青々として智識美とでもいいたいような艶をたたえ、決して美男という相では在さないが、眉は信念