Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
四
善信は微笑して、
「そんなつもりではありません。山伏の刃が恐くて、ただひた走りに、ここまで走ってきたに過ぎない。――そして、奇蹟のように危ないところを助かったのが、何かこう御仏の手でこれへ体を運ばれたような心地がして――有難さに、われを忘れて、経を誦していたものでございまする」
「一体、あの山伏は、何者ですか。何を怨みにふくんで、あなたを殺そうとしたのですか」
「さ……それをお話し申すには長いことになりますが、掻いつまんで申さば、心蓮どのも見かけたらしいあの山伏は、私が幼少からの学友で、今では聖護院の印可をうけ、播磨房弁円と名乗っておる人物」
「弁円? ……私もどこかでその名は聞いたような気がする。――して今夜は」
「私は、あの叡福寺の御葉山のふもとにある聖徳太子の御廟へ、ちと、心願がありまして、籠っていたのです」
「ふむ」
「すると、弁円が、いつの間にか私の背後に、抜刀をしのばせていたらしいのですが、すでに、その刃が私の頭に下ろうとした瞬間、アア今思い出しても奇蹟です――いや私にとって、慈父たり、恩師たり、母たり、常に心のうちで渇仰し奉る聖徳太子のお救いかもわかりません――その髪一すじの危機に迫った時、忽然と、弁円の開けて入った妻扉から中へ躍りこんできた一頭の黒犬があったのです」