Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

四

しかし、どうしてもまだ気にかかるのであった。またそっと首をもたげて――じっと気を落着けて――本堂のほうを窺った。

親鸞のすがたの側に、やはりお吉の姿が明らかに見えるのである。導師親鸞は、式事をすまして、中央に坐っていた。お吉はうしろのほうに、両手をひたとつかえている。

国司と親鸞とのあいだに、なにか話が交わされているらしい。お吉も時々、おそるおそる顔をあげて、親鸞のうしろで答えているかのように見えた。

「生きてるっ――。おう、おう、お吉。――お吉じゃあねえか」憑き物でもしたように、平次郎は両手をあげてまた狂った。もうこんどは止らなかった。群衆の頭の上を踏みつけて、本堂の階段のほうへ遮二無二近づいてゆくと、前後もわすれて、

「女房っ、女房っ」唸きながら、そこを駈け登ってしまった。

「無礼者っ」廻廊にいながれている国司の家来たちがいちどに立ち上がり、群衆もこの異様な狼藉者に、わっと、驚いて立ちくずれた。

「ま、おまえ様は」お吉は、真っ蒼になって、絶叫した。

平次郎は、群衆へ何か告げ知らせたいような手振りで、

「生きていたっ、生きていたっ――」と、さけびつづけた。