Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

五

ましてや範宴には力ではどうする術もなかった。性善坊があちらで格闘しながらしきりに逃げろ逃げろと叫んでいるようであったが、範宴は逃げなかった。

四人の荒法師は、そこへ坐ってしまった範宴に向って、足をあげて蹴ったり、棒を揮って打ちすえたりしながら、

「生意気だッ」

「仏陀に対して不敬なやつ!」

「片輪にしてやれ」と口々に罵って、半殺しの目にあわせなければ熄まぬような勢いだった。

すると、最前から彼方の草のなかに、腕ぐみをしながらのそりと立っていた大男があって、もう見るにたえないと思ったか、大きな革巻の太刀を横につかみながら範宴の方へ駈けてきた。

五

その法師武者は、昼間、範宴が講堂で小止観を講義しているながい間を、法筵のいちばん前に坐って終始じっと居眠っているもののようにうつ向いて聞いていた、この山に見馴れない四十前後の――あの男なのであった。

駈けてきて、

「狼藉者っ」と叱りつけた。声に、ただならぬ底力があって、鉄のような拳をふりあげると、

「法の御山において暴力を働くものこそ、仏賊だ、仏敵だ。疾く、消えうせぬと、太夫房覚明がただはおかぬぞ」と、一人の横顔を、頬の砕けるほど打った。