Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
四
綽空は、真面目な態度を見せて、こう改まった。
「私には、まだこの寂境の独り居が、ともすると、雑念の思いにふける巣になって、しみじみ、孤独をよろこぶまでにはいたらない。近ごろは念仏専念に、いささか心の安らぎはあるが――」
「ご無理もない……。人間じゃもの。なぜあなたは、もう一歩出ないか」
「出ないかとは」
「申しかねることじゃが、そのお若い血を、制えようとなさるか」
「…………」
「わしのような破戒僧になり召されとはいわぬ。風雅へ逃避なされともすすめぬ。しかし僧侶の生活を離れて見て初めて僧侶の生活が分ったような気がします。大きな問題じゃ、まずその生活の根本義から僧侶は今の矛盾をすてて、大道に立ち直らなければなりますまい」
「私も考えているのです」
「人間の中の仏教でなければならぬ、あの世の浄土ではもう人が承知せまい、現世が極楽であり、現世が住みよく、楽しく、明るいものでなければなりますまい。その教化に立つ僧侶の生活はどうでしょうか。――わしがまずお手本じゃ、隠れてすることなら咎めぬが、人に見つかったが最後、女犯という、堕地獄という、破戒僧という、あらゆる鞭に追いまわされる。