Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
七
箭四郎は、牛小屋の牛を世話したり、厨や湯殿の水汲みをする雑人だったが、やはり心配になって、井口の筧に、水桶を置きはなしたまま、
「於久里どん、和子様は、見つかったかい」
築地のそとを、うろうろしていた下婢の於久里は、首をふって、
「どこにも――」と、昏い顔をした。
「見えぬのか」
「うん……」
「ふしぎだなあ」箭四郎は、於久里とならんで、腕ぐみをしていた。
この頃、しきりと、洛外のさびしい里を脅やかしている風説が胸の底にさわいでくる。それは、洛外ばかりでなく、どうかすると、白昼、玄武や朱雀の繁華な巷でも行われる「稚子攫い」のうわさである。
巷の説によると、稚子攫いを職業にする悪者は、男の子ならば室の津の唐船へ売りわたし、眉目よい女子だと京の人々が、千里もあるように考えている東の国から那須野の原をさらに越えて、陸奥のあらえびすどもが、京都の風をまねて文化を創っている奥州平泉の城下へ遠く売りとばされてゆくのだという。それを思い出して、
「もしや、稚子さらいの手にかかったのじゃあるまいかなあ」箭四郎がつぶやくと、
「そうかも知れない」於久里も、かなしい眼をした。だが、すぐに二人の眸が、