Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

二

おかしな女子だ」

「見るな、人に、泣き顔を見られるのは憂いものじゃ」

「参りましょう」二人は、そういって、歩みかけたが、やはり気にかかっていた。五、六歩ほど運んでから再び後ろを振り向いたが、その僅かな間に、女のすがたはもう見えなかった。

「や、や?」性善坊は、突然、笈を下ろして、女のいたあたりへ駈けて行った。そして、欄干から、のめり込むように川底をのぞき下ろして、「お師様っ、身投げですっ」と手を振った。範宴は、驚いた。そして自分の迂濶を悔いながら、

「どこへ」と側へ走った。性善坊は、暗い川面を指さして、

「あれ――、あそこに」といった。

水は異様な渦を描いていた。女の帯であろう。黒い波紋のなかに、浮いては、沈んで見える。

「あっ、あぶないっ……」性善坊が驚いたのは、それよりも、側にいた範宴が、橋の欄に足をかけて、一丈の余もあるそこから、跳び込もうとしているからであった。抱きとめて、

「滅相もないっ」と、叫んだ。

「――私が救います、お大事なお体に、もしものことがあったら」と、彼は手ばやく、法衣を解きかけた。すると、河原の方で、

「おウい……」と、男の声がした。

二、三人の影が呼び合って、駈けつけてきたのである。