Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

四

「なるほど……。今の世には、書をかくより、歌をよむより、刀を鍛つ人間のほうが、求められているとみえる」一軒の鍛冶小屋の前に立って、宗業は、漠然と、鍛冶のする仕事を眺めていた。真っ黒な小屋の中には、あら金のような、男たちが、をかけたり、炭を焚いたり、鎚を振ったり、そして、

テーン! カアーン! 火花を、鉄敷から走らせていた。

あっちの小屋でも、こっちの仕事場でも、無数の刀が、こうして作られている。――やがて、この刀が、何につかわれるのかを考えると、気の弱い宗業は、怖ろしくなって、そこに立っていられなかった。

「おウい」振向くと、兄の範綱が、青蓮院の方から、駈けてくるのが見えた。宗業は、救われたように、

「御用は、済みましたか」

「いや、やっと、お暇を告げてきた。午にもなるゆえ、食事をして行けと、仰せられてな、弱った」と、範綱は、貴人の前にひれ伏していた窮屈さから解かれて、伸び伸びと、晩秋の明るい野を、見まわした。

四

「僧正は、おすこやかですか」

「ウム、お変りない」

「和歌も、おすすみでしょうな」

「ご上達だ。われらにも、およばぬお歌が時々ある」

「しかし、俗衆の中に生活ている吾々のうたうのと違って、ああして、名門に出て、深堂の座主となられていては、花鳥風月の心はわかっても、ほんとに、人間の悩みとか、涙とか、迷いとか、そういう