Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
五
弥陀如来の壇に灯を燈して、そう感謝しつつ、念仏していた。その灯影をのぞいて、
「お上人さま、有難うございました」
「お上人さま、おやすみなされませ」
帰ってゆく百姓たちも、声をかけ、礼拝して、散々に、宵暗の中へ消えて行く。と――そこへ。
蓮位という弟子の取次であった。
「柿岡在の者が、折入って、お願いの儀があると申して参りましたが……」というのである。
親鸞は振向いて、
「そちらの涼しい端へ、通してください」親鸞が、そこへ起つと間もなく、柿岡の庄屋と、二、三人の者が恐る恐る庭先へ廻ってきた。
「ずっと、お上がりなされ、なにを遠慮してござる」庄屋たちは、縁の端へうずくまって、
「いえもう、夜になりましたゆえに、ここでお願いだけをいわせてもらいまする」
「この親鸞に、おそろいで、願いとは何事な」
「先ごろ、世間のうわさでは、お上人様が、大沢の池に棲んでいる恐ろしい魔主を、念仏の功力でお払いくだされたとかで――えらい噂でございます。わしのほうの柿岡でも、念仏でなければ極楽へは行かれぬと、皆がにわかに説教場をこしらえ、そこへぜひお上人様に時折来てもらって、有難い法話を聞かせていただきたいものじゃと申しまするので。