Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

二

「吉光様へといって、ただいま、かような文を投げ入れて参った者がございますので――」と、箭四郎は、雨によごれた一通の書状を、彼女の前へさし出した。

二

「はての?」彼女は首をかしげた。

名も告げずに、投げこんで行った文とは、一体誰からよこしたものであろう。さし当たって、思いあたる人も泛かばないように、封を解いた。

燭を寄せて、読みかえしていたが、やがて、吉光の前は、ほっと嘆息をもらして、つぶやいた。

「まあ、とうとう、鞍馬を下山てしまわれたか。――あの稚子ばかりは父御の末路を踏ましとうないと祈っていたが」範綱は、さしのぞいて、

「誰からじゃ?」と、たずねた。

「めずらしくも、鞍馬の遮那王から――」

「なんというて?」

「どうして、あれほどきびしい平家の付人の眼を晦ましたか、関東へ逃れて、身を潜め、今では、奥州の藤原秀衡の懸人になっているとやら……」

「では、噂は嘘ではなかったとみえる。ひところ、鞍馬の遮那王が逃げたと、やかましい沙汰であったが」

「よもやと疑っていましたが……これを見れば、元服して、名も源九郎義経と改めたと書いてありまする」

「血はあらそえぬもの」

「野心のある豪族に、利用されるのでございましょう。