Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
六
と、高綱も手をさし出す。
「いや、今では、念仏門の西仏房じゃ」
「そうそう、ここの御弟子とな。うらやましい」
「高綱どの、ずっと前に、わしから児島の城へさし出した手紙、見てくれたか」
「見たっ」と、強く答えて、四郎高綱は、沈痛にいった。
「――持つべきものは友達だ、あの書状がなかったら、わしはまだ児島の城の業火の中に、みすみす昼夜の苦患にわずらっていたかも知れぬ。……糞中の穢虫も、おぬしの喝破に眼がさめて、やっと、外の清さを知ってここへ来たのじゃ。……兄者人、西仏房、どうかこのことを、上人へお取次をたのむ、残水の小魚を、宏大無辺の慈泉にすくい取らせたまわるよう、二人から、おとりなしの程をたのむ」真実が声にもあふれていた。
盛綱は、そっと、眼をふいていた。もちろん、西仏も、自分のやった一片の手紙が、この仏縁をつくったと思えば、うれしくてたまらなかった。
その翌る朝――朝のすがすがしい気持をもって、四郎高綱は、渇仰していた親鸞に会った。もちろん、親鸞は、
「ようござった」と、ことばは短いものであったが、高綱の発心に対して、共々、よろこんでくれたし、その日から、弟子のひとりとして彼を許すことに何のためらいもなかった。