Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

四

(――今こそおれは、復讐されるのだ、存分に、苦悶を味わわせられて、ここで人間の終りを告げるのだ)と思うと、生への未練やら、なんとか生きたいと思うもだえやら、悔悟やら、またさまざまな人間的の弱さがこぐらかってきて、醜い眼を、うつつにキョロキョロうごかし、隙を見たら、逃げそうな挙動をした。

「年景どのか」と駈け寄ってくるなり生信房は喘いだ息でいった。それすら、年景の耳には、うつつなのであった。

「…………」

「代官の萩原殿ではないか。――オオそうだ、あなたは年景殿にちがいない」

「…………」

「なにを茫然としているのだ」生信房は、叱咤するようにいって、彼の肩をたたいた。

「官衙のうちの、大事な書類はすっかり持ち出されたか。……やっ……焔のかなたには、女子供の悲鳴が聞えるが、あれはご家族ではないか」

「……そ、そうじゃ」危害を加える様子がないので、年景はやっとこううなずいた。生信房は、愕然として、

「ええ家族の者も、まだ救い出されずにいるのか。……ええっ、ぐずぐずしていては焼け死んでしまうわ、あなたは一体、何をしているのだッ、あの悲鳴は、あなたの子ではないか、妻ではないか」