Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
雪千丈
一
歩きながら、尽きない話を、喋舌っていた。
「――そんなかのう」
「現世で、地獄の風のふかない所は、まず、御所にもなし、お寺の庭だけでございましょうよ。――昨夜あたり、五条の近くまで、用たしに出ると、磧に、斬られたか、飢え死にしている死骸の着ている衣を、あさましや、野武士か、菰僧か、ようわかりませぬが、二、三人して、あばき合って、果ては掴みかかって争っているではございませんか。まったく、眼を掩うてでなければ、町は歩いていられませぬ」山門には、鴉が啼いていた。
「ああ、暮れる……」と、つぶやいて、袖門の潜りを出て、箭四郎は、もいちど、振りかえった。
「では――ごきげんよろしゅう、和子さま、いや範宴様、これから寒くなりますから、おからだをな……介どの、さようなら」
雪千丈
一
粟田口の雑木の葉がすっかり落ちきって、冬日の射す山肌に、塔の欄が赤く見える。
霜は、朝ごとに、白さを増した。
範宴少納言は、暗いうちに起きて、他の僧たちといっしょに、氷のような廻廊を、水で拭く、庭を掃く、水を汲む。
それから勤行の座にすわる。
やっと、南天の赤い実に、陽のあたるころとなって、厨の一仕事をいいつけられる。