Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
二
「心配すな、それよりは寝め。――わしの室へきて」静かに立った時、堂衆の紙燭が、奥のほうでうごいていた。
二
眼をとじてもいつまでも眠りに入れない尋有であった。
兄は自分を寝ませておいてどこかへ出て行った。廊下で堂衆の寒さにふるえているような声がきこえる。堂衆のうちで賊に斬られた者があるというから、その男の手当やら後の始末をしているのであろう、微かな物音が更けるまで庫裡に聞えた。
それが止むと、やがて範宴はそっと室へ帰ってきた。尋有は自分の寝顔をさしのぞいている兄の容子を感じながら眠ったままに装っていた。兄もすぐ側に眠るであろうと考えていたのである。ところが範宴は法衣の紐をしめ直したり、脚絆を当てたりして、これから外へでも出るような身仕度をしているのだった。
(今ごろ?)と尋有は怪しんで冴えた心になっていた。ふっと、息の音がしたと思うと、短檠の燈は消えていた。寝ている者の眼をさまさせまいとするように、しのびやかな跫音が室を出て、後を閉めた。
「はて……? いずこへ」尋有は起き直った。
しばらくためらっていたがどうしても不安になった。あわてて、枕の下へ手を入れる、そこらに脱いでおいた法衣を体に着ける。