Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
二
その旅の衣をぬぎ、やがて善信はひさしぶりに自分の一室に落着いた。
「よう、お窶れもなく」玉日は、この良人を、どうして慰めようか、自分の女としての真心をあらわすのに苦しんだ。
「そうかの」善信は、自分の頬を手でそっと撫でて、和やかに笑った。
「もう、この頬には、どんな苦難が襲ってきても、病のほかは、窶れさすことはできなかろう。そういう自信が近ごろできてきた」
「うれしいことでございます」
「そなたは」
「さ……」玉日は自分の心に問うてみて、留守中の自分にそんな信念がなかったことに気がついた。この先もまだ、なかなか危ない気がするのである。
「わたくしは、痩せたでしょうか」
「そうのう」
「痩せたかもわかりません、ほんの少し……」善信は笑った。
さすがに、新妻のすがた――やわらかい姿態――女のにおいというようなものが、善信の旅にすがれた眸を、しみじみ、見入らせるのであった。
――この女なくば、自分は。と、ひそかに思う。
(どうなったか)と回顧するのである。
青年時代の何ものをも烈々と焼くか突き貫さずにはおかない情熱と、その時代を久しくつつんでいた真っ黒な懐疑と、当然、それから行きはぐれてしまう所だった青春と求道のわかれ道に――もしこの女が心になかったら――あるいはついに、