Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

七

「仰せられな、この親鸞の眼から見れば、おん身は気の毒な貧者でしかない」

「おれが、貧者だと」

「眼に見える物の富の小ささを、年景どの、ご存じないか。なんと、この北国の貧村と、痩せたる民の膏血で作った第宅の見すぼらしさよ。京の朱雀、西洞院のあたりの官衙や富豪の邸ですら、われらの眼には、ただもののあわれを誘う人間の心やすめの砂上の楼閣としか映らぬものを。――いわんや北国貧土の小代官が奢り沙汰、片腹いたいというほかはない」

「罪囚!」年景は、大地を蹴って、怒った。

「おのれ、流人の身をもって、代官たるこの身を、罵ったな」

「あたりまえなことを申しあげたのです。今わからなければ、後になって分りましょう。――そういう折へ、無駄な説法、わしもやめにする。……だが用向きは果たしてもどらねばならぬ。年景どの、お身が養っていた山吹という女子、海辺から親鸞が連れて参った、どうぞ親鸞がたのみを聞き入れて下さるまいか」

「人を悪しざまに罵って、その上の頼み事、聞き入れる耳はない」

「では、多年、寵愛した女子が、死のうと生きようと、お身はかまわぬというか。親鸞ですらかなしいものを」

「よけいな世話をやくな」