Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
八
――もしや、お病褥ではないかと、わしらは、案じているのじゃ」
鶏の骨を嘗りながら、女のお菰は、そういって、山門の外まで、送ってくる。
吉次は、心のうちで、うれしかった。その吉光御前というお方こそ、自分が主命をうけて、機会さえあれば世に出そうと苦心している鞍馬の稚子遮那王の従姉にあたる人なのであった。
「水溜りがあるぜ、小父さん」河童は、竹の棒で、真っ暗な地をたたいて、先に歩いていく。
鼻を抓まれてもわからない小路の闇に、野良犬が、吠えぬいている。犬すら、飢えているように、しゃがれた声に聞えた。
小川がある、土橋を越える。やや広い草原をよぎると、河童は、竹の先っぽで、
「あそこに、大銀杏が見えるだろう」と、指していった。
「……あの銀杏のそばの土塀が、正親町様だよ。藤原有範様のお館は、あそこを曲がると、すぐさ」
「や、ありがと」道をすすんで、二人は目じるしの大銀杏を横に曲がりかけた。すると河童は、何かに、驚いたように、
「おやっ?」と、立ちすくんでしまった。
八
「なんだ? ……、なんだろう……あれは?」河童は、眼を大きくしたまま、怯えたように、そうつぶやいた。