Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
二
「怖い才だ」といった人もあった。また、
「こういう、麒麟児は悪うすると若死をしますでな」と注意した老人もある。
どっちにせよ、不安であった。周囲の大人たちは、ちょっと、戯れかねた。まだ稚ない九歳の子ではあるが、軽く抱いて、置き換えられないような巨きさというか、気品というか、威というか、そんな気持をうけた。
しかしさすがに、範綱だけにはよく、甘えるし、範綱も、人がいうほどにも思っていなかった。ただ、なぜか、
「容貌は、母御前に似よ。血は父に似よ」と、口ぐせにいった。
母系の源氏の血が、この子にうずくことを彼は極度に、怖ろしく思った。
それでなくとも、平家の眼は、近ごろ急に、十八公麿の母系と、十八公麿の身について、警戒を怠らないのみか、何か、あわやという機会さえあれば、虎狼の爪が、跳びかかってきそうに思えてならないのである。
二
古びた青銅瓦の山門を仰いで、
「ここでよい」介は、牛飼に、車を止めさせた。そして、間近う、
「お館さま、青蓮院でございまする」と、箱の簾にささやいた。
轅には、鷺脚の榻を据え、前すだれの下には、沓台を置く。
「先へ」
「はい」と、十八公麿が、片脚をそっと下ろした。