Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
五
「…………」
「第二には――その密偵、実性なる下司、山門の僉議を盗み聞き、世上へ怪しからぬ風説を流布いたしたる罪状はいかん」
「…………」
「第三には、山門法師の者、それについて、この草庵へかけあいに参りたるを、門輩の暴僧を出して、腕力をもって打擲したる理由はいかん」
「…………」
「以上三つ、なんとあるかっ、善信房」
「…………」
「無言でおるは、一言の申しひらきもないという表示か。しからば、約束どおり、この小屋を踏みつぶし、そちの素首をたたき落して持ち帰るぞ」すでに一人は土足を板縁にかけ、一人は善信の腕くびをつかんで、外へ引きずり出そうとする。
「何をするッ――」うしろへ来て、猛虎のように師のからだを警戒していた覚明は、たまらなくなって、突っ立った。
「――控えいっ」善信の声は、その覚明へ向って投げられたのである。
「今、仰せ承る三つのこと。すべて、善信としていい開きもない落度です。いかようとも召さるがよい。……誰も、手出しの儀はなりませぬぞ」
「おう、よくいったっ」引き下ろされて、善信のからだは、草庵の外へ転んで落ちた。
顔いろも失わない善信であった。
すぐ大地へ坐り直して、彼らの兇暴な腕力の下に体を与えてなんの惜しみもおののきもない容子なのである。