Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
五
「ここにいます」と四郎の顔を見上げて立った。
五
四郎の命をうけて、蜘蛛太の小さい影が、五条口のほうへ駈けてゆくと、いつのまにか他の手下たちも、両側の並木の闇へ、吸われるように隠れ込んでしまう。
一人――四郎だけが辻に立っていた。
火事の煙がうすらぐと共に、世間の騒音も鎮まって、おぼろな月明りが更けた夜をいちめんの雲母光りにぼかしていた。
やがて――そう間もないうちに――五条口から西洞院の大路を、キリ、キリ、とかすかな軌の音が濡れた大地を静かにきしんでくる。
(来たな)
と、四郎は知るもののごとく知らないもののごとく、依然として、腕ぐみをしたまま辻に突っ立っていると、たしかに、彼がさっき、朱雀のあたりで火事のやむのを待っている雑鬧の中で見とどけた一輛の蒔絵輦が、十人ほどの家の子の打ちふる松明に守られながら、大路の辻を西へ曲りかけた。
すると、そこに、天城四郎が石仏のように、腕ぐみをしながら立っているので、
「しッ!」牛飼が、声をかけた。
それでも動かないので、輦のわきにいた公卿侍が、
「退かぬかっ」叱りつけると、四郎は、初めて気づいたように顔をふり向け、赤々と顔をいぶす松明に眼をしかめながら、