Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
「…………」
「のう、よいか」
「……ヘ、ヘイ……」
「お内儀、念のため、良人に疑われた品、ここへ出して見せてやりなさい」
「はい」お吉は、摺り寄って――
「おまえ様……おまえ様は……」人々の前もわすれて泣き濡れていたお吉であった。磐石にひしがれたように首をうつ向けている平次郎の前に、名号をくりひろげて、良人の手をつかみ、良人の茫然としている意識を揺り醒ますようにいった。
「わたしが不義をしている――男からの手紙を内密で見ていると――おまえ様が邪推をまわしたのは、この名号でございまする。……勿体なくも、上人様のお筆でございますわいな、拝みなされ、良人のひと、これ、よう拝んで、お前様が人殺しの罪に墜ちなかったお礼をいうてくださんせ」恐々と、平次郎は、顔をもたげ、名号の文字をじっと見つめた。
「おお……」
「わかりましたか」
「……ウム」うなずいて、初めて彼は、妻の手をにぎり返した。
「……だが、お吉、おらあどうしても、おめえを手斧で斬った覚えがあるんだが……どこにも、おめえは怪我をしていないか」
「いいえ……。ああわかりました――それではお前様は、御堂の大廂から廻廊の角へ下がっている太竹の雨樋を斬ったのじゃ、それがわたしの身代りになって、今朝までは二つに斬れてぶらんとしておりましたが、お坊さんが、供養式の目ざわりというて外して