Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
二
「六条の朝臣範綱」
「え、六条さま。――道理で」光斎は、仲間の祥雲と、何かささやき合っていたが、やがて、
「範宴さん」
「はい」
「じゃ、あなたは、日野の里で、お生れなさったでしょう。私たちは日野のご実家の方へ、半月ほど、仕事に参ったことがありましたっけ――大きくおなりになった」
「では、日野の館の仏間は、おまえたちがこしらえたの」
「あの中のご仏像を、やはり、修繕しにゆきました」
「おじさんたちは、仏像を彫るのがお仕事なの」
「そうです」光斎は、しげしげと、欄にもたれている範宴をながめて、
「その顔を、そのまま彫ると、ほんとに、いい作ができるがなあ」と、つぶやいた。
「じゃあ、彫ってもいいよ」範宴は、すぐにでもできるように、そういって笑った。
二
「彫らしてくれますか」光斎と、祥雲の二人は、顔を見あわせた。
(彫りたい)
(彫ろう)という創作慾にそそられて、
「じゃあ、明日から、飯やすみのたびに、ここへ来てください」と、約束した。
午になると、二人は、足場を下りてきた。範宴は、欄の上に立った。
材は、かなり大きな木を用いた。三尺ぐらいな坐像に仕上げるつもりらしい。二人の仏師は、飯を噛みながら毎日、鑿を持って、範宴の輪郭を少しずつ写して行った。