Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
三
鞍馬の峰にあって、奥州へ逃げのびた遮那王の義経も、短くて華やかなその生涯を、つい二年ほど前に閉じて、人もあろうに、兄の頼朝の兵に伐たれてしまった。そして、その頼朝が、今では鎌倉に覇府をひらいて、天下に覇を唱えているのであるから、平家の文化が一変して、世も、京洛も、加茂川の水までが、源氏色に染め直されてしまったのは当然な変遷なのである。
だが、あまりに眼まぐるしい人生の流相を見てしまった民衆たちは、
(また、明日にも)という不安と虚無観が消え去らないと見えて、往来の市人の顔には、どれもこれも、落着かない色が見えていた。
「――行こうか」範宴は、そう見ながら、ただの雲水の法師のように、五条を北川の方へ歩みだした。
三
それから六条の大路へ足を入れると、二人はさらに、
「変ったな」というつぶやきをくりかえした。
辻の市場は、目立って繁昌しているし、往来の両側にある商い家も、平氏の世盛りのころより、ずっと、数が殖えていた。
空地にさえも、傀儡師か、香具師か、人寄せの銅鑼を鳴らしている男が、何か喚いているし、被衣をかぶって、濃い脂粉をほどこした女が、あやしげな眼ざしをくばって、鼻の下の長い男を物色している。