Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
九
僧侶が念慮しても罪悪といわれることを、この盲人は掌へのせて差し出すように平気でいう。範宴は胸苦しくなった。
「法師っ」
「はい」
「おん身は一体それを聞いてどうしようというのですか」
「べつに……」と、峰阿弥は首すじを伸ばして下を見た。「……どうするということもございませんが、あなたさまに、後でお渡しいたす一品をさるお人からお預りしておりますので、事のついでに、うかがって見たまででございまする」
九
「しかし、頼まれはしたものの、その品を、お渡しいたしたほうがよいものか、悪いものか、迷わざるを得ません……範宴僧都、あなた様には、思いあたることがございましょう」
「私に? ……誰から? ……」
「お麗しいお方です。いやよしましょう、わしの半生がそうだったからあなた様にもそうなれとはおすすめできない。人間の運命は、その人間自身が作るものだ、わしはその品を、ここへ置いてゆきますが、それを手に触れるなともお受けなされとも、わしは申しません。あなた様ご自身でとくとお決めなさるがよろしい」峰阿弥はそういって袂の蔭から一葉の短冊を取り出した。なにやら書いたほうを下にして床几のうえに伏せた。