Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
そして彼はついにその虚偽を生れながらに生みつけられている人間であったという今さら追いつかない嘆涙にさんさんと魂を濡らして、そこに恋人のあることも忘れ果てる。
とこうする間に鶏の声が聞えてくる、万野は自分の寝屋の妻戸をそっと押して、別れ難かろう二人に別れを促しにくるのであったが、そこへ来てみると初めのままの位置に初めのままの居住いを硬くして黙り合っている二人なので、自分があんな苦心をして一方を誘ってきたのは一体なんのためかと歯がゆくもなり焦々と思うのでもあったが、夜が白みかけては一大事を醸す惧れがあると、姫にかわって次に来る夜の言質をとって、そっと壺のうちを脱けて裏門の戸を開け、夢遊病者のような黒い人影を見送るのだった。
すると、そういう幾度かの事実をいつの間に知っていたものか、あるいは、偶然その晩に限って運悪くぶつかったものか、範宴の後ろをしばらく尾けてきた夜固めの警吏が、
「こらっッ」大喝を浴びせておいて不意に後ろから組みついた。
帛の裂ける音がぴっと鳴った。警吏は法衣の片袖だけをつかんで前へのめっている。
おそろしく迅い跫音はもう闇のうちへ遠くかくれていた。