Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
「いたか! なまくら坊主」そして、さらに声高に、
「そこへ、坐らせろ」いわるるまでもなく範宴はすでに坐っているのである。頭領と仰ぐ四郎の身に万一があってはと警戒するように手下どもはいったん物々しく取り囲んだが、その必要がないと見るとおのおの掻き集めた盗品を持ちやすいように包んだり束に括げたりし始めた。
四郎は、範宴の眼をじっと睨まえていた。範宴もまた四郎の顔から眼をそらさなかった。大和の法隆寺に近い町の旅籠で会った時からすでに七、八年の星霜を経ているが、その折の野武士的な精悍さと鋭い熊鷹眼とは今も四郎の容貌にすこしの変りもなかった。それと、ふしぎにもこの男は、弟の尋有の場合でも、自分の所へ襲ってきた今夜でも、何か女性にからむ問題があるたびに現れてきて迫害を加えることが、あたかも約束事のようになっている。――範宴はその宿縁を思いながら四郎の影に対していた。われの懶惰と罪に鞭を享けて弥陀が遣わさるるところの使者であると思った。
「やいっ、範宴」四郎はまずいうのである。
「俺のつらを忘れはしまいな。きょうは返報に来たのだ。ちょうど一年目になるが、よくもいつかの夜には、俺が月輪の姫を奪ってゆく途中、邪魔させたな。