Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
「では、誰が外出してもわかるまいが」
「そのために、私どもが視ておりますので、出入りに不審があれば咎めまする」さっき、外から戻ってきた男は、すれちがいに見かけた二人の被衣の女房を胸のうちで思い泛かべたが、
(下手なことを云い出しては)と、口をつぐんで黙っていた。大宿直の吏員は、
「では、裏門の方かも知れん」つぶやいて駈け去った。
「何じゃろう」――しばらくすると、その騒ぎは、波紋のようにひろがって、衛府や大宿直の室に止まらず、上達部や舎人たちも、総出になって、仙洞御所のうちの大きな事件となってあらわれた。
いや、それは御所の表方ばかりではない。後宮の局々でも躁ぎ立った。
「松虫のお局がいなくなったそうです」
「いいえ。松虫のお局ばかりでなく、鈴虫様も一緒に見えなくなったんですって」
「えっ、二人とも」
「どうしたのでしょう」
「上達部は、逃げたのだと申しています」
「ま! 大胆な」無事に飽いているここの女性たちにとっては、自分たちの身に関わらない限り、それは眼をみはるに足る驚異であり、興味であった。
脱走
一
五ツ衣の裳をたかく紐でくくり上げて、白い素足を露わにしていた。