Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
――けれどそれは、醜い生活の殻から真実の生活へ出ようとする真剣な願望に、仏陀を力とし、法の礼讃を明りとしてきたので、二人の胸には、恋しつつ、恋とは自覚していないかもしれぬ。さればといって、まだ信仰というほどの開悟もないふたりであることは、いうまでもなかろう。
二
法勝寺の山荘は閉まっていた。昼は、信徒の参詣や、山と町との往来もあるが、夜は、この鹿ヶ谷一帯が、一点の灯もない闇であった、海のようなうなりが樹々をゆすっている谷や峰つづきであった。
「住蓮、もう眠ろうか」安楽房は、ちょうど衰えかけた榾の火を見つめていった。
その榾の明りで、住蓮は書物を読んでいたが、根気をつめた背骨を伸ばして、
「む……更けたらしいな」
「しんしんと、寒うなった」
「もすこし焚こうか」薪を加えると、炉はまた、赫々と炎をあげた。煤で黒くなった天井が赤く映る。
「はやいものだな、この無住の山荘へ来てから、もう数年」
「その数年の間に、とにかく微力ながら、念仏門の一道場を、社会に加えたのだ、一枚の田を、開墾したのだ。それを思うと、おたがいに愉快だな」
「ウム、御仏も、おれたちの奉仕を嘉してくださるだろう。