Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
七
めっきり体が弱くなって、法然上人が人々へ顔を見せることができない日でも、
(オオ、善信様が)と、彼のすがたを仰ぐと、聴衆はそれだけでも満足するのだった。随喜して、もう口のうちの念仏に素直な心を示すのだった。
その善信が、かなり長い時間にわたって、庭面の暮れるのもわすれて、自己の信念を説き聞かせていると、人々は、いつか、涙をながして、
(おれは間違っていた)
(生き直ろう)
(もっとよく生きよう)懺悔の気持をいっぱいに持って、耳にも口にも眼にも、念仏の光のほか何ものもなく聞き入っているさまであった。
四郎は、腮へ手をやって、
「笑わせやがる」と、肚のそこで嘲んだ。
「――裏と表が見えねえから坊主は有難がられるのかと思っていたら、善信などは、坊主のくせに、女房を持ち、岡崎の庵室で、あの玉日というきれいな女と、破戒の生活を大びらにやっているのに、それでもまだ、愚民どもは、有難がっていやがる。度し難い奴らだ」
彼は、むかむかしてきて、そこに坐っていられない気がした。ひとつ、ここから起ち上がって、
(みんな! 眼をさませ)と、呶鳴ってやろうか。そして善信が、いかに、破戒の堕落僧であるかを、おれが一席弁じ立ててやろうか。