Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
(はてな? どこへ行くのか……)と、眼をつけていた者がある。
吉水禅房や、岡崎を初め、あらゆる念仏門系の法壇のある所を、所きらわず歩きまわって、狩犬のような鼻を働かせていた播磨房弁円であった。
四
あれほど、月々の法会や、念仏の唱導を、活溌にやっていた鹿ヶ谷の法勝寺が、近ごろ、はたと戸をとざしている。住蓮か安楽房かが、病気のためだとは称しているが、弁円は、そのうわさを麓で聞くと、すぐ、
(こいつはおかしい)と直感した。
(病気なら、吉水から、誰か代る者をよんできても、説法日の法筵ぐらいは開かれる。それに、住蓮も安楽も、少しも麓に姿を見せないというから、何か、べつな理由があるにちがいない)弁円が、鹿ヶ谷へ目をつけだしたのは、そんな動機からであった。彼は、山伏のすがたではまずいと考えた。笈や杖や服装をすっかり解いて、木樵か農夫かと思われるように身装を代えた。
山刀を一本さして、弁円は毎日山をあるいていた。法勝寺と山荘のまわりをうろついて、裏へ迷いこんだり、夜は床下へ這ってみたり、種々に探ってみたが、
(はてな?)と、思われるだけだった。
もう鈴虫も松虫もいなかったのである。