Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
彼は、もう上の尼たちが、食糧がなくなるころなので、深夜をはかって、それをそっと運びに行くのだった。
この上には人家もないはずだと弁円は考えていたが、肌の汗ばむような嶮しい道をのぼりつめてゆくと、ポチと、灯が見えたのである。――朽ちた板戸の破れ目から。
「あっ……」意外とせざるを得なかった。住蓮が立つと、そこが開いたのだ。そして、炉の火をうしろにして、美しい尼が二人、何か囁き合って、彼を中へ導いた。
すぐ閉められた戸の外へ走り寄って、弁円は、板戸の穴へ顔を押しつけた。息をころして覗くのだった。
「……ウウム」思わず大きな息をつく。
風は満山に轟々と鳴って、どこかですさまじい滝水のひびきがする。星は研げて、一つ一つが魔の目みたいに光っていた。猿がしきりと暗い谷間で叫びぬく。
七花八裂
一
樵夫のような男が、ぶらりと叡山の根本中堂の前に立った。座主の執事らしい僧が、
「うろんな奴、あれを糺せ」と、院務を執っている一人へ囁くと、
「これっ」ばらばらと、二人ほど、駈けてきて、男の腕をつかまえた。逃げもしなかった。
「はいっ」と、明に――
「なんですか」
「おまえは何者だ」
「私は、十数年前、当山にいて仲間僧を勤めていたことのある朱王房といっていた者です。