Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
すると西仏もまた、一緒に腰を上げて、
「おや……誰だろう」麓のほうへ眸をこらしていたが、何か驚いた表情をし、
「石念、あれ見よ」と、指さしていった。
二
「何をです? ……私には何も見えませんが」
「見えるじゃろうが、あれへ来る人影が」
「どこに」
「ふもとの方に。……いやいやそんな方角じゃない。もっと、部落から先の国府へ通う街道のほうに」
「お……」
「わかったろう」
「ほんに」巨きな白樺の幹へ手をかけながら、石念と西仏は、そこの崖からじっと遠い麓の街道を見ていた。
国府の方からうねうねと山や丘や林や耕地を繞って、この小丸山の山ふところへ続いてくる一すじの道に、ぽちと、小さな人影が二つ辿ってくる。
「はて」西仏はいぶかしげに、
「この辺の風俗とは見えぬ。どこの女性であろう」
「都の女子にちがいありません。笠の緋の房、衣の袂、都の女性にしても、町家の女ではございますまい」
「したが、どこへ行くのであろう。この街道の先には、山家ばかりだのに」
「もしや……裏方様の」石念が、西仏の顔を見ていうと、
「わしもそう思うのだ。もしかしたら、師の房のもとへ、都の裏方様からのお便りでもと――」