Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
四
――またこの御庵室のなごやかな朝夕を見ても、なぜ今まで、あのように刃と鉄と人馬で囲んでも、枕を高くして寝られない所領や城にかじりついて生きてきたのかと、初めて、無明の闇から出てきたように思う」
「おそいぞおそいぞ、今ごろ、さようなことに気づいて、この西仏などは――」と、西仏は自分が発心したことの早さを、快活に自慢したが、
「はははは、それは、おぬしの大将の木曾殿が早く滅び、おぬしも志を武門に得なかったからではないか」と、盛綱に反駁されて、
「や、いかにも、そのせいも幾分かあるな。あはははは」と、哄笑した。夜になると、
「馴れぬうちは淋しかろ、田舎酒でも温めようか」と、西仏は飽くまで友に親切であった。炉を囲んで、初秋の夜の静心をたのしみ、
「――時に、いつか訊こう訊こうと思っていたが、ご舎弟の四郎高綱どのは、近ごろ、どうしているな?」
「さ……久しゅう会いもせぬが、世上の沙汰では、やはりこの兄同様に、怏々として楽しまずに暮しているらしい」
「備前児島の城へ当てて、この春ごろだったか、手紙を出してみたが、何の便りも返ってこぬ」
「あれの一徹にも困る、わるくすると、この兄とは逆に行って、鎌倉どのへ、忿懣の矢を引きかねぬ男でな」