Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
六
悪童たちを蹴ちらし、郎党たちの刃を轢いて、暗い野末へ、団々たる火のかたまりを負って駛けて行く。
「和子さまっ。――和子様あっ」介は、夢中で、それを追った。
六
火に狂った奔牛は、三、四町ほど駈けて行って、忽然と横に仆れてしまった。
牛が仆れると、燃えていた車蓋は、紅い花車が崩れるように、ぐわらぐわらと響きを立てて、解れてしまった。そして、蓋も、御簾も、轅も、一つ一つになって、めらめらと地上に美しい炎の流れを描いた。介は、発狂したように、
「和子様ッ」と、飛んで行った。
そして、必死になって、崩れた炎の板や柱を、ばらばらと、手で退けてみた。何らの熱さも感じなかった。
当然、その中にいる十八公麿は、彼の想像では、もう焼け死んでいるはずだった。けれど、車の下に何ものもなかった。
「あっ……。途中で?」介は、不安とよろこびと、二つの中に立って、そういった。
「……途中で、振り落されたか、ご自身で飛び降りたかなされたであろう、ああ、よかった」
見ると、牛は、もう焼け死んでいた。巨きな横っ腹を膨らませて、足を曲げたまま、真っ黒になっていた。
まだ多少の呼息をしているらしく、唇から白い泡が煮えていた。