Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

「どうじゃ範宴、きょうは、わしに尾いてこないか」陽が暖かくて、梅花の薫ばしい日であった。庭さきでも歩うように、慈円はかろく彼にすすめる。

「どちらへお出ましですか」

「五条まで」

「お供いたしましょう」何気なく、範宴は従いて行ったのである。

もとより仰山な輿など好まれる人ではなかった。というて、あまり往来の者に顔をみられたり、礼をされるのもうるさいらしく、慈円は、白絖の法師頭巾をふかくかぶって、汚い木履をぽくぽくと鳴らしてゆくのである。

五条とはいわれたが、何しにとは訊かなかったので、範宴は、師の君はいったいどこへゆくのかと疑っていると、やがて、五条の西洞院までくると、この界隈では第一の構えに見える宏壮な門のうちへ入って行った。

範宴は、はっと思った。

「ここは、月輪関白どのの別荘ではないか」と足をとめて見まわしていると、

「範宴、はようこい」と、慈円はふり向いて、中門のまえから手招きをした。

正面の車寄には、眩ゆいような輦が横についていた。慈円は、そこへはかからずに中門を勝手にあけ、ひろい坪のうちをあるいて東の屋の廻廊へだまって上がってゆく。

(よろしいのでございますか)範宴は訊こうと思ったが、関白どのは、師の君の実兄である。