Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

三

なんの他人行儀もいらない間がらであるし、ことには、骨肉であっても、風雅の交わりにとどめているおん仲でもあるから、いつもこうなのであろうと思って、彼もまた無言のまま上がって行った。

奥まった寝殿には、催馬楽の笛や笙が遠く鳴っていた。時折、女房たちの笑いさざめく声が、いかにも、春の日らしくのどかにもれてくる。

「きょうは、表の侍たちも見えぬの。たれぞ、出てこぬか。客人が見えてあるぞ」慈円は、中庭の橋廊下へ向いながら、手をたたいた。

三

小侍が走ってきて、

「あっ、青蓮院様でいらっしゃいますか」と、平伏した。慈円は、もう橋廊下の半ばをこえながら、

「お客人ではあるまいな」

「はい、お内方ばかりでございます」答えつつ、小侍は、腰を屈めながら慈円の前を、つつと抜けて、

「――青蓮院さまがお越し遊ばしました」渡殿の奥へこう告げると、舞曲の楽が急にやんで、それから、華やかな女たちの笑い声だの、衣ずれの音などが、楚々とみだれて、

「おう、青蓮院どのか」月輪兼実がもうそこに立っている。

兼実は、手に、横笛を持っていた。それをながめて慈円が、

「おあそびか、いつも、賑わしいことのう」