Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

「ご気性には反きましょうが」

「ここの人々の気にいるようなことを説いて、それをもって足れりとするくらいなら、範宴は何をか今日までこの苦しみをしようか。たとえ、嫉視、迫害、排撃、あらゆるものがこの一身にあつまろうとも、範宴が講堂に立つからには御仏を偽瞞の衣につつむような業はできぬ」いつにないつよい語気であった。性善坊は、その当然なことを知っているだけに、後のことばが出なかった。

右手の闇の下には、横川の流れが、どうどうと、闇の底に鳴っていた。松明の火が、時々、蛍みたいな粉になって谷へ飛んだ。

崕道がきれると、ややひろい、平地へ出た。一乗院までには、もう一つの峰をめぐらなければならない。しかし、そこに立つと、遥かに京都の灯がちらちらとみえ、あさぎ色の星空がひらけて足もとはずっと明るくなった。

「待てっ!」突然、草むらの中から、誰かそう呶鳴ったものがある。範宴の眼にも、性善坊の眼にも、あきらかに黒い人影が五つ六つそこらから躍り出したのが見えた。

「誰だっ」性善坊は、本能的に、範宴の身をかばった。ばらばらとあつまってきた五、六人の法師たちは、たしかに昼間、講堂の聴衆の中にいた者にちがいなかった。