Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
「講義が大事か、お体が大事か、それくらいなことは、お分りと存じますに、毎日、危険をおかしてまで、禿谷へお出かけになるのはいかがと存じます。ことに、一山の大部分のものは、日にまして、師の房を悪しざまに沙汰するのみか、伝教以来の法文を自分一個の見解でふみにじる学匪だとさえ罵っているではございませぬか。このうえ講義をおつづけになることは、火に油をそそいでみずから焔に苦しむようなものだと私は思いますが」
口を極めて苦諫するのであった。けれど範宴は、
「初めの約束もあるから――」というのみで、彼を叱って説伏しようともしない代りに、思いとまって講義をやめる様子もない。
ただこの際、性善坊にとって心づよいことは、新しく弟子となった太夫房覚明が、範宴の身を守ることは自分の使命であるかのように、範宴のそばに付いて、見張っていてくれることであった。そのためか、往生要集の解も、無事にすんで、範宴は、翌年の夏までを一乗院の奥に送っていたが、やがて秋の静かな跫音を聞くと、
「興福寺へ行ってまいる」と、性善坊も覚明もつれずに、ただ一人で、雲のふところを下りて、奈良へ行った。
彼の念願は、興福寺の経蔵のうちにあった。