Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

七

「ひどく悪口をいうではないか」人々は提婆に対してむしろ反感をもった。そんな顔つきに関わず提婆は笑いやまず厚い唇をひるがえしていった。

「でも、あまりに諸賢が、愚かしき噂を信じているから、その幼稚なのに愍笑をもらしたのだ」

「では、範宴は一体、なにを大願として、そんな必死の行に籠っているのか」

「知れているじゃないか。恋だ! 範宴だって人間だよ、隠し女があるのだ!」

「えッ、女があるって」人々は大胆な放言に眼をみはった。

七

意外そうな顔をする人々の迂遠さを提婆はあわれむように薄く笑って、

「眼を、君たちは、持っているのかいないのか。お互いに人間だ、叡山だって、人間の住んでいる社会だ。してみれば、若いくせに、聖めかしている奴が、実はいちばん食わせ者だということが分るはずだ。自体、範宴という人物を、俺は元からそう高く買っていない――」人々は、提婆の鋭い観察に黙って聞き入っていた。提婆は自分の才舌に酔っているように喋舌りつづけた。

「考えてみろ。まだ彼奴は今年でやっと二十九歳の青沙弥じゃないか。その青二才で、一院の門跡となり、少僧都となり、やれ秀才の駿馬の、はなはだしきは菩薩の再来だとかいって、ちやほやいう奴があるが、それが皆、あの男のためには毒になっているのだ。