Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

三

「こよいのうちに、会えればよいが――」

尋有はやっとそこの谷間を出てから心を希望へ結びなおした。なつかしい兄はもうここからほど近い飯室谷の大乗院にいる。骨肉のみが感じるひしとしたものが思慕の胸を噛んでくる。

「はやくお目にかかりたい」足はおのずからつかれを忘れていた。彼の心は真向きだった、一心であった。一刻もはやく会わねばならない。会ってそして自分の誠意をもって兄の心を打たなければならない。

兄は知っているのか知らずにいるのか、今、世上の兄に対する非難というものは耳をおおうてもなお防ぐことができない。兄範宴は今や由々しい問題の人となっているのである。囂々として社会は兄を論難し、嘲殺し、排撃しつつあるのだ。

兄の恩師でありまた自分の師でもある青蓮院の僧正も、玉日姫の父である月輪の前関白も、夜の眠りすら欠くばかりに、心を傷めていることを、よもや兄も知らぬわけではあるまいに。――また、その問題も問題である。あろうことかあるまいことか、貴族の姫君と、法俗の信望を担う一院の門跡とが、恋をしたというのだ、密会をしたというのだ、しかも六波羅の夜の警吏に、その証拠すらつかまれているという。