Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
尋有はじっとしていられなかった。老いたる師の体が毎夜、鉋に削けてゆくように痩せてゆくのを側目に見ても。
(こういう問題を残したまま、聖光院を捨てて、ただ御山の奥へ、逃避されている兄がわからぬ。ご卑怯だ、いや、兄君のお為にもならぬ。このまま抛っておいたら、世論はなお悪化するばかりではないか。玉日様を愛するならば、玉日様の立場も考えてみるがよい。師の君のお心のうちはどんなか、姫の父君の身になってみらるるがよい。どうなりと、この際、善処のお考えをなさらぬ法はあるまい。その兄が救われるならば、この自分などの一命はどうなろうがかまわぬ。どういう御相談でもうけてこよう、兄の胸をたたいて聞いてこよう)こう決心して、彼は、師の慈円にも黙って山へさして登ってきたのである。山へ登るについても、世人の眼にふれてはと思い、はるか鞍馬口の方から峰づたいに、山の者にも遠くから来た雲水のように見せかけつつやっと辿り着いたのだった。
だが――尋有は世上で論議しているような不徳な兄とは信じていない。兄の本質は誰よりも自分が知っている。兄は決して多情な人ではない、溺れる人ではない、そういう情涙も脆さも多分にある人には違いないが、一面に剛毅と熱血を持っていることでは誰にも劣らない生れつきである。