Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

「――読んだか、栂尾の上人の著書を」

「うむ、見た」

「全文、熱烈な念仏批判の文字だ。念仏門の教義も、あれには木ッ葉微塵に説破されてしまった形だ。――空谷の天というのは、ああいう文章のことではないか。何しろ、痛烈にやったものだな」

「吉水も、こんどは参ったろう。栂尾の上人の人格と、学識の前には、いやでも念仏の声をひそめてしまわずにはいられまい」世評は、たちまち、これを問題にとりあげて、さらに巷へ拡大した。

あまり評判がたかいので、吉水の学僧たちも、ひそかに「摧邪輪」を手に入れて、かくれて読む者が多かった。そして読んだものは必ず、

「――はてな」と、今まで信念していた念仏門の教義に疑いを抱いて、信仰の根本に、動揺を感じ出した。

それほど、明慧の学説には、確乎とした仏教精神がこもっていたし、また、整然とした理論と、的確な考証をも併せて持っていた。

権力や、伝統や、自己の位置を擁護するために、ただ暴圧的に、吉水を押しつぶそうと試みる叡山などの反撃とは、それはまるで比較にならない真摯な反駁であった。

「痛手だ。なんといっても、これは吉水の教団にとっては、致命的な打撃だろう」