Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
御法話です」鈴虫にそっと注意されて、彼女は初めて、気がついたらしく、顔を上げたが、その睫毛には、涙のようなものが光っていた。
あの灯・この灯
一
もう暑い夏の陽ざしは、山ふところの樹々にうすずいていた。
蝉の音は、ひぐらしの啼く声にかわっていた。
ひろい御堂の内は、いっぱいの人間のすがたで暗かった――が、それほどな人がいようとも見えないほど、静かであった。
壇に坐して、法然上人は、先刻からおよそ一刻半も法話をつづけている――。その声だけが、しいんとしている衆生のうえに、強く、低く、流るるように、また、訥々として、際限のない底力をもって迫っているのが聞こえているだけであった。
(お弱そうだ、近ごろは――)
(あのお体で、よく、あんな声がな――)と、人々は、話のとぎれるごとに、ほっと息をつきながら、法然のすがたを見入るのであった。
もう彼は七十四歳であった。
誰にも気づくほど、近ごろは、痩せが見えているが、ただ、あの茶いろをした眸だけが、烱々として、相変わらず光っている。そのうえに、繭を植えたような白雪の眉がある。
身には、麻のうす茶の袈裟をかけておられた。