Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
母乳の香の庵
一
の名をいただいたのである。上人は、その折、
「わしはもう老年であるから、そちに附随を申しつけて、永い先の道を手をとってやることができない。善信はまだ年も若く、年来、そちとは有縁の間がら、また、師と頼んでわしにもまさる人物であるゆえ、善信について、向後の導きと教えをうけたがよい」といわれた。
それ以来、彼は、岡崎の草庵へ来て、草庵の拭き掃除やら裏方の用やら、夜の番人やら、なにくれとなく忠実に下僕の勤めをしていたのだった。
(狼が、良犬になったような――)と、彼の前身を知る者は、奇異な思いをして見ていた。それほど生信房は、正しく生れかわっていた。
――今度の吉水崩壊の大変を知ると、彼は、歯がみをして、くやしがった。それが、かねて弁円から聞いていることによって叡山の卑劣な奸策が大きな動因となっているのをよく知っているからである。(この身一つを捨てる気で、叡山に火をつけてやろうか)などと口走ったりすることもあったが、裏方の玉日の前からたしなめられると、
(はい、そんなことは誓っていたさないことに、仏様にも約束いたします)と、素直に服従した。
玉日の前は、もう、前の年から妊娠っていて、彼女の室には、いつのまにか、珠のような嬰児の泣き声がしていた。