Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
――このたびの儀は、こよなきおよろこびでござりましょうとな。……すると、上人もほほ笑まれて、善信ようこそ申されたと、お賞めのおことばを戴いたことであった」
玉日は、乳をすう幼児の顔をじっと見ていた。自分が一つの母胎であると共に、良人が、億万の民衆に愛と安心の乳をそそぐ偉大な母胎でなければならないことがよく分った。
――だが、女としては、まして若い母としては、胸の傷むことであった。良人の話に、うなずきながらも、睫毛の先には、白い露がかすんでこぼれかけた。
「すこし見ぬ間に……」と、善信は、房丸を抱きとって、頬ずりした。
「――重うなったの、さだめし、そなたは丹精なことであろう。だが、風にもあたれ、雨にも当れ、弥陀の子は、きっと育つ」
生信房は次の間の物蔭に手をついていたが、善信のことばが、いちいち腸に沁みてくるように思った。
三
善信が岡崎へもどって来たのは、決して罪がゆるされたからではない。
むしろ、その重罪が決定したからである。
越後の国府へ流罪とさだまると、彼は一先ず、評定所の門から出され、その日の来るまでは、岡崎に蟄居と決まった。
勿論――上人を訪れることも、官のゆるしがなければできない。