Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
わが娘の聟ながらさすがと禅閤は思うのであった。そして、法然のことばをも思いあわせ、
「これがなんの悲しみぞ」と過去数ヵ月の自分の悲嘆が今ではおかしくさえ思えた。
二月か――と巷でもうわさしていた上人の配流の日は、その二月には沙汰が下らず、三月に入った。
都の杉並木の間には、もう彼岸桜の白っぽい花の影が、雪みたいに見える。春を揺らぐ洛内の寺院の鐘は、一日一日、物憂げに曇っていた。
若い一人の僧が、急ぎ足に、青蓮院を出て行った。善信の弟、尋有である。
兄の善信や、吉水の上人の配所護送の日が、いよいよこの三月の十六日と師の慈円から聞いたので、
「一目、兄のすがたを」と、或いは警固の役人に追い返されるであろうかも知れないことを覚悟して、師にもゆるしをうけて、出てきたのであった。案のじょう、白川のほうから行く道にも、神楽岡から降る道にも、すべて、岡崎の草庵へかよう道には、鹿垣が囲ってあって、
「ならぬ!」と、そこにいる武士に、剣もほろろに一喝されてしまった。
事情を訴えても、大地に手をついても、許されなかった。やむなく尋有は日の暮れるのを待って、道のない崖道から、岡崎の松林の奥谷へ、生命がけで這い降りて行った。