Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

おかしいね。香など焚いたことのない人が」

「行ったんじゃない」

「どこへ」

「死出の旅路へ」

「ホ、ホ、ホ」盗むように一人がわらって、

「――そうかも知れない。毎日、泣いてばかりいた様子だから」

「でも、身から出たさび――仕方がないもの」

「ものずきな――あんな侏儒の片輪者を、殿様の目をぬすんで、閨へ入れるなんて、気がしれない」

「あれ……ほんとのことなのかしら」

「だって、みながそういうもの、火のない所にけむりは立たないでしょう」

「けれど、誰が先に、そんな煙を立てたのか」

「どうだって、いいじゃありませんか。どうせあの人は、ふだんから、死にたいが口癖だったんだから、本望でしょうに」そういって、よそごとのように、戯れ口をきいていたが、それでもどこかに気がかりになるとみえ、

「ほんとに、帰ってこないらしい……」と少し不安な眼をしだした。

二

「もいちど、見に行ってみましょうか」と、一人がいう。女たちは、皆立った。そして、山吹の部屋をのぞいてみると、香のにおいがまだ残っていて、小机の下を見ると、何か、手紙らしいものがあった。頓狂に、一人が、

「あっ、遺書」と、さけんだ。

「え、遺書ですって」