Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
弁円は、踏みしめている踵の裏から、だんだんに力の抜けてゆく自分をどうしようもなかった。
彼も、仏者である、聖護院の御内に僧籍のある仏子である。菩薩の顔と、邪人の顔と、見わけのつかない人間ではない。――なんで親鸞は前からこんなよい顔を備えていたろうか。このほほ笑みが一体人間のものだろうか。彼の殺意は、だんだんに冷えて行った。
「……ああ……」思わずうめいたものである。――京都の巷で見たころの親鸞の顔には、もっと険しいものがあった、勝ち気があった、世に負けまいとする鋭い眼があった、物いえば烈々と人を圧しる唇あり、起てば、群小を睥睨する威風があった。
けれど今のすがたには、そんな烈しい強いものは微塵もない。これは、弁円にして初めて思い出される記憶であった。――今の親鸞の和やかな顔は、十八公麿と呼ばれていたころの幼顔にそっくりである。四十を超えてからの親鸞は、いつの間にか幼少の顔のほうへ近くなっていたものと見える。
八
「――ああっ、おれは過っていた」ぐわらりと、大地に地ひびきさせて、弁円は坐っていた。両手で顔を蔽うてさけんだ。
「……不覚不覚、一生の不覚だった。