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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

「しばらくっ――」そんな大きな声を出すつもりはなかったが、範綱は思わず大声でさけびながら、驚く人々を割って、法皇のまえに、平伏した。

「誰ぞ」法皇は、いちど、お沓へかけられた足を引いて、廻廊の上へ、立たれた。

「六条の朝臣らしゅうござります」側近がささやくと、

「範綱か」

「はっ」

「病気と聞いていたが……」

「仮病でござりました。上を、偽りました罪、いくえにも、お罰し下さりませ」範綱は、そういって、さらに、語気をあらためて諫奏した。

「きょうは六月二日とあれば、さだめし、鹿ヶ谷の俊寛僧都の庵に衆会のお催しあることと存じまするが、院の御深くに在わしてすら、道聴途説、とかく、世上のうるさい折から、さような集まりの席へ、しかも夜中のお出ましはいかがなものかと存ぜられまする。――それについて、折り入っておん耳に入れたいこともござりますゆえ、しばらく、お見あわせ遊ばして、お人ばらいの儀願わしゅう存じまする」

法皇は、黙っておられた。

先に、範綱へ仰せられた言質もあるので、やや気まり悪く思われたようなお顔いろでもあった。

新大納言に同心の側近の者や、侍所の人々は、一文官の、しかも歌よみの範綱が、何を、かような大事に、嘴をだすかと、憎むように、睨めつけていた。