Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
「うまくは、なかろう」
(はい)ともいえないので、範綱は、なにか、爽やかになると答えた。慈円は笑いながら、
「近ごろ、仏書と共に、わずかばかり手に入れたので、試みておるが、なかなか捨てがたい風味がある。聞けば、茶の木の胚子は、夙くから舶載されて、日本にも来ているそうな。どんな花か、花が見たいと思う……」
などと、かたり出で、中華では魏晋のころから紳士のあいだで愛飲されだして、唐の陸羽は、茶経という書物さえあらわしている。また、鬱気を散じるによく、血滞を解くによろしい。医家でも、用いているし、栽培もすすんでいる。日本でもぜひ胚子を植えて、上下の民衆に、用いさせてみたいものだ――などと若い知識をもつ僧正の話はなかなか該博で、経世的であった。
ことにまた、慈円は、僧院の奥ふかい所にいるが、政治にも、社会のうごきにも、なかなか達眼があって、時事にも、通じている。それとなく、世間ばなしのようにする話のうちには、熱があった。
「それについて、今日、折入って、僧正にお願いの儀があって、うかがいましたが」と、範綱は、やっと話のすきを見つけて、いいだした。
十八公麿をつれてきたことや、衣服の改まって見えることや、座談のあいだに、慈円も、今日の彼の訪問が、いつもの和歌の遊びや、閑談でないことは、察していた。